1.PlayBackMailについて
PlayBackMailとは、うっかりミスによる電子メールの誤送信および、誤送信による情報漏えいを防止するためのソリューションです。
経路上のメールを強制的に隔離、一時保留を行うことで、ユーザーによるメール送信作業と、実際の宛先アドレスへの配信の間に一定の遅延を発生させることを主な目的とします。
PlayBackMailに一時保留されている間は、ユーザーはWebインターフェイスを通じ自身の手で 送信メールを削除することができます。
また、添付ファイルの暗号化(Zip/AES)、一定数以上の宛先を強制的にBCCへ変換する機能も同時に提供します。

1-1.PlayBackMail導入による適用ユーザーへの影響
  1. 外部宛メールの配信が遅延します。初期値は0分に設定してありますが、数値を変更するとその設定に従ってメールの配信が遅延します。メールについては、後述のWebインターフェイスからの"削除"が可能です。即時配送を行う場合は、同インターフェイスにて"即時送信"を実施してください。
  2. 外部宛メールの添付ファイルが自動で暗号化されます。復号キーは送信者に送付されますので、最適な方式にて受信者に通知してください。
    ※設定により、受信者への復号キーの通知を自動化することもできます。詳しくは"「パスワード通知メール自動送信機能」について"を参照してください。
  3. 外部宛のTo: もしくは Cc: ヘッダが指定数以上存在する場合、To:/Cc:ヘッダを削除し、Bcc:として送信します。

1-2.PlayBackMailの適用対象となるメール
  1. 送信者アドレスのドメインが 内部ドメインであるもの。
    (外部からの内部ドメイン宛のメールは対象となりません。)
  2. 外部宛であるもの。1メールの宛先に内部アドレスと外部アドレスが混在している場合は、外部アドレスへのメールのみがPlayBackMailの対象となります。
    (Microsoft Exchange Serverなどの内部で完結するメールについてはPlayBackMailの対象となりません。)

    (例:cskwin.comを内部ドメインとした場合)
    宛先に user01@cskwin.com と、gaibu@gaibu.com の2つを指定した場合は、同一メールであっても、gaibu@gaibu.com へ送信されるメールのみに対してPlayBackMailの処理が実行されます。

    ※このため、PlayBackMailの仕様上、user01@cskwin.com には既にメールが届いているが、gaibu@gaibu.com へは届いていないという状態が起り得ます。

1-3.添付ファイルの暗号化について
  1. 「添付ファイル付きメール」の処理
    "PlayBackMailの適用対象となるメール"にある条件を満たし、かつ添付ファイル付きのメールに関しては一部を除いて自動的に添付ファイルの暗号化処理をおこないます。 暗号化形式としてはZipまたはAESのどちらかを選択可能です。
    暗号化された添付ファイル名には、元の添付ファイル名を用います。複数のファイルが添付されていた場合は、1つの暗号化ファイルとし、その場合はメールソースの最上段に位置するファイル名を採用します。(Outlookの場合は、最初に添付したファイル名になります)。

    ※以下の形式については、暗号化されずそのまま送信されます。
    ・.msg ファイル(Microsoft Outlook より送信した場合のみ)
    ・分割メール (Content-Type: message/partial形式)
    ・ファイルがメール本文中に挿入されたメール (Content-Type: multipart/related 形式)
    ・DSN / MDN等のContent-Type: multipart/report 形式
    ・Content-Type: multipart/calender 形式

  2. PlayBackMailでの暗号化の仕様
    暗号化形式はWinZip2.0互換のZip形式(96bits)、またはAES形式(256bits)のどちらかを選択可能です。パスワードの長さは初期値10文字で、管理者の設定に従います。パスワードは英数字の乱数にて生成しています。
    ※AESを選択した場合は自己解凍形式にて暗号化を行い、管理者側が設定したルールに従い拡張子を変換します。(例 添付ファイル.exe → 添付ファイル.ex_ )
    また、この暗号化形式をユーザー個別で設定することも可能です。詳しくは"ユーザー個別設定"を参照してください。

  3. パスワード通知メール自動送信機能」について
    設定により、暗号化された添付ファイルの復号キーを、受信者に対して自動的に通知することができます。 管理者側の設定にて「パスワード通知メール自動送信機能」を有効にした場合、復号キーを送信者に通知すると同時に、メール受信者に対するパスワード(復号キー)通知メールを自動送信します。 また、「パスワード通知メール自動送信機能」をユーザー個別で有効または無効に設定することも可能です。詳しくは"ユーザー個別設定"を参照してください。 なお、自動送信されたメールに関しても、PlayBackMailの保留対象となります。

  4. 固定パスワードについて
    特定の受信者へのメールに限り、設定したパスワードを添付ファイルの復号キーとして使用することができます。

1-4.「1メール内の外部宛のアドレス数」に関する制限
    "PlayBackMailの適用対象となるメール"にある条件を満たし、かつ1メール内の外部宛のアドレス数が指定された件数を超えた場合は、To:およびCc:ヘッダの削除が行われ、すべてBcc:として送信します。 同一メールの宛先に内部ドメインのものが何個登録されていても、カウントには入りません。あくまでも外部アドレスの数を条件とします。 ※1メール内の外部宛のアドレス数は管理者側の設定により変更することが可能です。また、設定によりユーザーが個別で設定することも可能です。詳しくは"ユーザー個別設定"を参照してください。

1-5.第三者による保留メールの削除について
    保留メールの削除は、送信者本人以外にも行うことができます。「第三者 PlayBack」機能を利用すると、送信メールの宛先 To/Cc に含まれていた内部アドレスユーザー、または、「第三者PlayBack」のメンバーとして登録されたユーザーからも、 保留メールを削除することが可能となります。第三者により保留メールが削除された場合、削除された理由が送信者に 対して通知されます。

1-6.上長によるメールの承認機能について
    メールを送信する際に上長の承認を受けなければメールを外部に送信できないよう制限することができます。上長はPlayBackMail の Web ページにてメールの本文および添付ファイルの内容を参照し、承認または否認の操作を行います。上長 によるチェックを受けることで情報漏洩対策をより強固にすることができます。 また、上長不在によりメールが送信できなくなる対策として、自身で承認する設定も可能です。

2.Webインターフェイスについて
    この項では、Webインターフェイスの操作方法について説明します。

2-1.保留中のメールの削除
    ドメインログイン済みのクライアントからの接続、もしくはログイン画面でのログイン後は、ログインユーザーのメール一覧画面が表示されます。
    保留中のメールを削除する場合は、削除したいメールのチェックボックスをチェックし、「削除」ボタンをクリックしてください。

    「本当に削除しますか?」というダイアログが表示されますので、問題ない場合は"OK"をクリックしてください。
    画面下に「チェック済みのメールを削除しました」というメッセージが表示されますと、削除処理は完了です。
    後程、削除通知メールが送信者に配信されます。

2-2.保留中のメールの即時送信
    ドメインログイン済みのクライアントからの接続、もしくはログイン画面でのログイン後は、ログインユーザーのメール一覧画面が表示されます。
    保留時間を待たずして配信を行いたい場合は、送信したいメールのチェックボックスをチェックし、「即時送信」ボタンをクリックしてください。
    「本当に送信しますか?」というダイアログが表示されますので、問題ない場合は"OK"をクリックしてください。
    画面下に「チェック済みのメールを即時送信しました」というメッセージが表示されますと、即時送信処理は完了です。
    管理者側の設定により、即時送信通知のメールを送信者に配信することができます。
    ※保留時間経過後に自動的に送信されたメールについては、このような通知メールは配信されません。

2-3.メール処理の一時停止
    ドメインログイン済みのクライアントからの接続、もしくはログイン画面でのログイン後は、ログインユーザーのメール一覧画面が表示されます。
    「一時停止」ボタンをクリックすると、そのログインユーザーのメール処理を一時停止することができます。一時停止を実施中のユーザーのメールについては、保留時間が経過しても自動的に送信されることはありません。ただし、一時停止中であっても、保留中メールの削除・即時送信は可能です。

    管理者側の設定により一時停止期間を変更することができます(初期値では60分)。設定された時間を過ぎた場合は、自動的に一時停止が解除されます。その際、送信予定時刻を過ぎた保留中メールに関しては、自動的に送信されます。
    一時停止を解除する際は、「一時停止」ボタンを再度クリックします。 「一時停止を解除します。送信予定時刻を過ぎたメールは即座に送信されますがよろしいですか?」というダイアログが表示されますので、問題ない場合は"OK"をクリックしてください。

2-4.ログインするアカウントを切り替えたい
    画面右上にある「ログアウト」をクリックしてください。ログイン画面に遷移するので、任意のアカウントでログインしなおしてください。

2-5.メール処理履歴表示
    ドメインログイン済みのクライアントからの接続、もしくはログイン画面でのログイン後は、ログインユーザーのメール一覧画面が表示されます。
    画面上部の「履歴表示」タブをクリックすると、これまでのメール処理の履歴画面が表示されます。
    過去に配信済の添付ファイル付きメールへの復号キー(パスワード)も確認可能です。

2-6.ユーザー個別設定
    ドメインログイン済みのクライアントからの接続、もしくはログイン画面でのログイン後は、ログインユーザーのメール一覧画面が表示されます。
    画面上部の「個別設定」タブをクリックすると、個別設定画面が表示されます。
    ここでは、ユーザー毎に以下の設定を行うことができます。
    ※管理者側の設定により設定変更を許可されていない項目に関しては選択不可能であるか、または項目自体が表示されません。

    1. メール保留時間の設定
      外部宛送信メールの保留時間を、0-1440分の間で設定することができます。
    2. 添付ファイル暗号化形式の選択(暗号化OFF/Zip/AES)
      添付ファイルの暗号化形式を指定することができます。"OFF"を選択した場合、PlayBackMailによる添付ファイルの自動暗号化は行われません。
    3. パスワード自動送信機能使用の有無
      「パスワード自動送信機能」を使用するか、使用しないかを選択することができます。「パスワード自動送信機能」を使用する場合、「通知メールテンプレート」に登録されている内容にてメールを作成し、受信者へ自動送信します。
      この自動送信されたメールに関しても、PlayBackMailの保留対象となるため、自動送信後にメール一覧画面に表示されます。
    4. BCC変換制限値の設定
      BCC変換を適用する外部宛アドレス件数を設定することができます。"OFF"を選択した場合は、システムの設定値が有効となります。

3.FAQ(よくある質問と回答)
    PlayBackMailに関して、よくある質問とその回答を掲載しています。

    Q.暗号化されない添付ファイル形式はありますか?
    A. 以下の形式については、暗号化されずそのまま送信されます。
    ・.msg ファイル(Microsoft Outlook より送信した場合のみ)
    ・分割メール (Content-Type: message/partial形式)
    ・ファイルがメール本文中に挿入されたメール (Content-Type: multipart/related 形式)
    ・DSN / MDN等のContent-Type: multipart/report 形式
    ・Content-Type: multipart/calender 形式

    Q.暗号化された添付ファイルのサイズは小さくなりますか?
    A. 添付ファイルの圧縮は行いませんので、ファイルのサイズは小さくはなりません。PlaybackMailではパスワードによる暗号化のみ行います。

    Q.宛先に応じて添付ファイルのパスワードを固定化することはできますか?
    A. 可能です。宛先アドレスの完全一致を条件として、パスワードを予め定義した固定値とすることができます。
    例えば、user01@cskwin.com, user02@cskwin.com パスワード:password
    と定義している場合、宛先をuser01@cskwin.com, user02@cskwin.com としたメールを送信することで、“password” というパスワードで暗号化されます。
    宛先をuser01@cskwin.com としてメールを送信した場合、固定パスワードは適用されません。
    また、指定したドメインのメールアドレスにメールを送信する際に、パスワードを予め定義した固定値とすることも可能です。この場合はアスタリスク(*)を用いてメールアドレスの前方一致にて登録をします。
    例えば、*@cskwin.com パスワード:password
    と定義している場合、宛先をcskwin.com ドメインに指定したメールを送信することで、”password”というパスワードで暗号化されます。

    Q.その他、問題となる可能性のある送信メール形式はありますか?
    A. メール本文にある画像シグネチャーが添付ファイルであると認識され、パスワード付きZIP化されてしまいます。

    Q.暗号化された添付ファイルのパスワードの文字数や文字種別の変更ができますか?
    A. 文字数は変更できますが、文字種は変更ができません。パスワードはランダム英数字による文字列になっています。

    Q.Zip暗号化形式の添付ファイルを受信拒否する受信先には、添付ファイルは送信できないのですか?
    A. 添付ファイルの暗号化は、Zip形式以外にAES形式を選択することができます。AES形式の場合、拡張子が".ex_"として送信されます。また、特定の宛先ドメインに対して、非暗号化の設定をすることも可能です。
    ※Zip暗号化形式においても、拡張子の変換は可能です。(sample.zip⇒sample.zi_)

    Q.携帯で会社のメールアドレスから送信する場合、PlayBackMailは利用できますか?
    A. PlayBackMailOnlineをお申込みいただいているお客様に限り、PlayBackMailのアプリケーションをご利用いただけます。(現在はiPhone版のみリリース。Android版、Windows Phone版は順次対応予定。)
    詳しくは以下のURLをご参照ください。
    http://www.playbackmail.com/iphone/

    Q.メーラーとPlayBackMailの間は暗号処理はされますか?
    A. PlayBackMailによる添付ファイルの暗号化は、実際に外部へのメール送信時に実施されます。また、メールサーバーがSTART TLS対応していれば通信経路の暗号化されます。

    Q.待機中メール一覧の宛先にてメールアドレスだけでなく宛先の名前を表示することはできますか?
    A. できません。

    Q.ユーザー画面右上の ようこそ<メールアドレス>さん のところにユーザー名を表示することはできますか?
    A. 基本的にはメールアドレスが表示されますが、ActiveDirectoryによるシングルサインオンを実施している場合については、ActiveDirectory設定上の表示名が適用されます。

    Q.メールがPlayBackMailに保留する時間はどれくらいですか?またその時間はユーザー単位で変更可能ですか?
    A. 管理者の設定にて許可された場合に限り、0-1440分の間でユーザー単位での変更が可能です。

    Q.特定のユーザーをPlayBackMailの適用対象から外すことは可能ですか?
    A. 製品仕様としては可能ですが、基本的には特定ユーザーを適用対象から除外することはお勧めしません。

    Q.どうしても緊急で送信しなければならないメールがあるのですが
    A. Webインターフェイスの"即時送信"をご利用ください。

    Q.送信メールの添付ファイルが既に暗号化されていた場合でも、PlayBackMailは再度暗号化しますか?
    A. 暗号化します。元メールに施された暗号化の強度および復号キーの伝達方法の安全度については判断できません。「誤送信」による添付ファイルからの情報漏えいを防止するためにはPlayBackMailでの暗号化および、送信者へのキー通知が必須であるとの製品ポリシーに基づく動作となります。また、既に暗号化されている添付ファイルを暗号化しない設定も可能です。

    Q.復号キーを直接、受信者へ通知することはできますか?
    A. システム設定により、受信者への復号キーの通知を自動送信メールにて行うことができます。

    Q.Webインターフェイスからメールの本文や添付ファイルを確認することはできますか?
    A. できません。

    Q.Webインターフェイスからメールの修正を行うことができますか?
    A. できません。誤送信メールについては削除の上、再送してください。

    Q.HTMLメールでも問題なく処理されますか?
    A. はい、問題なく処理されます。なお、メール本文に画像シグネチャーがある場合、添付ファイル付きと認識されますのでご注意ください。

    Q.UTF-8形式のメールは問題なく処理されますか?
    A. はい、問題なく処理されます。

    Q.復号パスワードの通知メールのテンプレートが文字化けしているのですが。
    A. Windows Vista + Outlook2007の環境でこのような現象が確認されています。
      以下のOutlookの設定にて回避可能です。
    ----------------------------------------------------------------------------------------------------
    [ツール]-[オプション]-[メール形式]タブ-[文字設定オプション]ボタン
    [文字設定オプション]ウィンドウ
    「インターネットプロトコル」mailto:プロトコルでUTF-8をサポートする
    チェック ON→OFF
    ------------------------------------------------------------------------------------------------------

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      OneLogin's SAML Java Toolkit

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